こんにちは、福岡市南区高宮の西鉄平尾駅すぐにあるしんかい内科・内視鏡クリニックの院長の新海です。

4０歳以上で福岡市に住んでいる方であれば、自治体より大腸がん検診の案内(便潜血検査)が毎年届いているのではないでしょうか？今日は、その便潜血検査についてお話をしたいと思います。

便潜血検査とは

便の中に「目に見えない微量の血液（＝潜血）」が含まれていないかを調べる検査のことです。要は、消化管(主に大腸)から出血している病変がないかどうかを確かめる検査になります。大腸で出血をきたす病変としては、大腸がんや大腸ポリープ、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)がありますが、この検査結果が陽性だからといって、必ずしも病変があるとは限りません。大腸の正常粘膜は少しの刺激で出血することはありますし、痔核などの病変は容易に出血します。ただ、検査陽性の方は、陰性の方と比較して、潜在的に病変がある可能性が高いので、大腸カメラで確認することをおすすめします。

便潜血検査のやり方

①自宅で便を採取し、上記写真のような専用の容器に入れて提出します。

②医療機関や検査機関で、便に血液の成分（主に「ヒトヘモグロビン」）が含まれているかどうかを調べます。

③通常は 2回法（2日分の便を調べる） が一般的です。＊1回法もありますが、2回法の方がより潜血検出の確率が高いです。

検査の種類

免疫化学法（ヒトヘモグロビン特異的）
→ 今もっとも多く使われている方法。食事制限が不要で、精度が高い。

化学的方法（グアヤック法）
→ 昔からある方法で、肉類などの食事の影響を受けやすい。

便潜血検査の結果の解釈

• 陽性（＋）：消化管（特に大腸）で出血している可能性があります。大腸がん、大腸ポリープ、痔　　　　核、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)の可能性があります。
• 陰性（−）：出血の兆候は検出ありません。

※陽性だった場合は、大腸内視鏡検査（大腸カメラ）で精密検査を行うのが一般的です※

おすすめする人

40歳以上の方（自治体のがん検診で推奨されている）

家族に大腸がんの既往がある方

便通に変化がある方（便が細くなる、血便、下痢と便秘を繰り返す など）

最後に

便潜血検査は簡易的な検査で、身体に対して特に侵襲もないのですので、40歳以上の方は積極的に受た方がよいと思います。もし陽性結果が返ってきた際は、自身の安心を買うためにも大腸カメラを受けておきましょう。

当院では、大腸カメラを安心して受けていただけるように鎮静・鎮痛剤を用いた「苦しくない」内視鏡、人工知能(AI)を用いた「正確な」内視鏡を提供致します。便潜血反応陽性の方は、気軽に当院へご相談ください。