2025年6月08日
福岡市南区高宮の平尾駅近くで消化器内科で開業しているしんかい内科・内視鏡クリニックの院長の新海です。
「便に血が混じっていた」「トイレットペーパーに血がついた」——突然の血便に、不安を感じて来院される方は少なくありません。
血便は一時的なものから、重大な疾患のサインまで、原因がさまざまです。今回は血便の原因や、どのような場合に医療機関を受診すべきかを解説します。
血便とは?
血便とは、便に血液が混ざっていたり、排便時に出血が見られたりする状態を指します。血の色や出方によって、出血している場所の目安を知ることができます。
- 鮮やかな赤い血(鮮血):肛門に近い部分(痔、直腸ポリープなど)からの出血
- 黒っぽい便(タール便):胃や十二指腸など上部消化管からの出血
- 赤黒い血や血の混じった便:大腸全体からの出血の可能性
<血便の主な原因>
血便の原因には、軽度なものから重篤な疾患までさまざまあります。
1. 痔(いぼ痔・切れ痔)
最も多い原因の一つで、排便時のいきみや硬い便によって肛門が傷つくことで出血します。
2. 大腸ポリープ
大腸の粘膜にできる良性の腫瘍で、種類によってはがん化することがあります。出血を起こすことがあり、内視鏡検査での早期発見が重要です。
3. 大腸がん
早期には自覚症状が少なく、血便や便通異常が唯一のサインとなることもあります。特に、便に血が混じる・細くなった・便秘と下痢を繰り返すなどの症状は要注意です。
4. 感染性腸炎
ウイルスや細菌によって腸が炎症を起こすと、血便や腹痛、発熱を伴うことがあります。
5. 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
若年層にも多く、慢性的な下痢や血便が続きます。難病指定されており、早期の診断と治療が必要です。
<受診の目安>
以下のような場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 血便が繰り返し出る、あるいは大量の出血がある
- 便の色が黒っぽい、または赤黒い
- 発熱、腹痛、貧血、体重減少など他の症状を伴う
- 便が細くなった、便秘や下痢を繰り返す
- 40歳以上で初めて血便が出た
血便が出たら、内視鏡検査をおすすめします
血便の原因を正確に見極めるためには、**大腸カメラ(大腸内視鏡検査)**が有効です。
当院では、苦痛の少ない内視鏡検査を心がけており、鎮静剤を用いた安心の検査体制を整えていま す。「怖い」「恥ずかしい」と思わず、お気軽にご相談ください。